在来工法の一戸建て住宅をスケルトン状態にしてリフォームしました。屋根や外壁、内装を解体し構造躯体のみ残して工事をするため、まるで新築のような仕上がりになります。
今回の増築は床面積が10平米以上増えるので建築確認申請をしました。建築確認申請は建築士事務所登録しているので自社で行っています。 昭和59年に建てられた際の建築確認済証や現況の調査資料を用意し、既存不適格調書を作成しました。
既存建築物のまわりに足場を組み、養生シートを張ります。
足場は、既存部と増築部の取り合いを解体後、増築部を含めた広さで足場を組み直すので2回行いました。
工事期間中はトイレが使えなくなるので仮設トイレを敷地内に置きます。
柱や梁を傷つけないように金属製の外壁材を丁寧に剥がしていきます。
屋根は、小屋組を含めてすべて解体しました。
既存の玄関や浴室まわりの解体工事
躯体だけにして筋交いの位置や金物の形状を調べます。
スケルトン
建築確認申請で提出した図面には、耐力壁の位置や仕様を記載しますが、図面と異なった部分があると、計画変更の建築確認申請をする必要があります。
スケルトン
この建物は筋交いをかすがい打ちで取り付けていました。これでは筋交いに力が掛かったときに抜ける恐れがあるため、既存の筋交いにも、建築基準法施工令に規定された接合金物を使用しました。
柱と梁、柱と土台の接合部である柱頭柱脚も同様に金物を取り付けています。
既存の外壁材を剥がしているところ
増築する部分の地盤についてスウェーデン式サウンディングによる地盤調査を実施しました。
スウェーデン式サウンディングによる地盤調査
既存建築部分の基礎形状は鉄筋コンクリートの布基礎でした。
既存と増築の基礎の構造を合わせるため布基礎にしました。
この様な南北に細長い建物は、地震力よりも風圧力にたいして強い耐力をもたせる必要がありました。
妻側(短辺方向)に関してホールダウン金物を使う場所がありました。
基礎工事
配筋をする際に、ホールダウン金物を取り付ける箇所にアンカーボルトを施工し、たすき掛けにした筋交いが土台から抜けないようにします。
ホールダウン金物
切り妻の大屋根をかけた後の2階の増築部分が見える画像です。
増築部分と既存部分の構造をエクスパンションジョイントで分けない場合は、全体を一つとして構造計算をする必要があります。
今回の増築は既存部分の上に2階をつくるタイプだったので、建物全体の耐震補強が必要になりました。
木工事
屋根の材料は、従来の亜鉛めっき鋼板に比べ36倍の寿命があるガルバリウム鋼板にしました。
横暖ルーフハイブリッドという材料で、ガルバリウム鋼板と芯材、裏面材を一体成型した、高性能な屋根材です。
軽量であるという金属屋根の特長はそのままで、抜群の耐久性や断熱性、遮音性能を発揮します。
木工事
柱を抜いて広いLDKをつくります。2階の床が下がらないように、大きな梁で補強しました。
梁補強
増築部分、既存部分を含め全体で、24時間換気計画をした設備を備えました。
内装工事が終わってからキッチンや洗面化粧台、トイレを取り付けます。
内装工事
アルミサッシは 、トステムのペアガラスサッシ、デュオPGを使っています。
「新スタンダードサッシ」にふさわしい、優れた耐風圧・水密・気密・防音性能を備えています。
2ロック・うっかり防止クレセントなどを標準装備なので防犯性能を高くて安心です。
外壁工事
窯業系外壁サイディングを通気工法で施工。サイディングはケイミュー社製親水コーティング外壁材の親水セラを使いました。親水セラの特徴として、まず親水コートの働きで、ミズが汚れの下に入り込み、雨で汚れを浮かして洗い流します。
また、セラミックコートが紫外線をガードして、色あせ・日焼けを押さえるので、表面の塗装が痛みにくくメンテナンスの再塗装の費用を抑えてくれます。
外壁工事
6つの小窓が印象的な外観の住宅が完成しました。
使用した窓は、トステム社製のデュオPGです。さまざまな開閉スタイル、サイズバリエーションの窓があります。
建築工事が完了したら、特段の理由が無い限り4日以内に行わう必要があります。一級建築士事務所の弊社では手続きをすべて代行します。
完成後の外壁